オーラルフレイル
2022/06/20 | 予防歯科
こんにちは、
神戸市東灘区 のだ歯科医院 歯科助手の那須です。
オーラルフレイルはご存じでしょうか?
「フレイル」と「オーラルフレイル」の意味についてですが、
「フレイル」とは、加齢により心身が衰えた状態全般のことで健康な状態と要介護状態の中間の状態のことで、
身体的問題のみではなく、認知機能やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困窮など社会的問題も含みます。
フレイルは、しかるべき適切な対応をとることにより機能を戻すことができると言われているので、ささいな衰えに早く気付き対応することが大切です。
「オーラルフレイル」とは、お口に関するささいな衰えを放置することにより、お口の機能の低下、食べる機能の障害、心身の機能低下にまで繋がってしまう一連の現象のことです。
そして全身のフレイルや身体機能の低下に先立って生じることがわかっています。
ささいな衰えは以下の6つのような項目があります。
このような衰えをそのまま放置していると、将来の身体的フレイル、介護認定、死亡の発生が2倍高いことが明らかにされています。
オーラルフレイルを放置するのは大変危険です。
予防するにはトレーニングが適切です。5つのトレーニング法をご紹介させてください。
① 口、頬、頸のストレッチ
【イアエイウの口顎】3回反復
1. 〈イ〉の口で噛みながら頬・首の張りを感じるまで口角を左右に広げる
2. 〈ア〉の口で口を開ける
3. 〈エ〉の口で舌を前に出す
4. 〈イ〉の口でゆっくり噛みしめる
5. 〈ウ〉の口で唇をすぼめる
② 口輪筋のトレーニング
【ほっぺたフウセン】3回
1. 頬をふくらませ、舌を上あごに押し付け。口から息がもれないようにこらえる
2. 息を吸うように口をすぼめる
③ 舌のポジションの確認、トレーニング
【ポジション確認】
正常な位置は、お口を閉じリラックスした状態で、舌先が上顎の前歯の後ろに触れている状態です。
異常な位置は、舌先が前歯に触れている・どこにも触れていない状態です。
異常な位置は「低位舌」といい舌の筋力低下が原因なのでトレーニングを行いましょう
【トレーニング】3回
1. お口を大きく開け、舌をできるだけ出す
2. 上唇を舌先で触れる
3. 左右の口角を舌先で触れる
④ 滑舌トレーニング
【早口言葉】
早口言葉は、舌や口の周りの筋肉をほぐしてくれます。
無理せずご自身のペースではっきり正確に発音することが大切です。
⑤ 唾液腺マッサージ
耳の下、顎の下、舌の下あたりに唾液の出る腺があります。そこをやさしくマッサージしましょう。
1. 人差し指から小指までの4本の指を頬にあて、上の奥歯あたりを後ろから前に向かって動かす
2. 親指をあごの内側の柔らかい部分にあて、耳の下から顎の下あたりまで5か所ほど順番に押す
3. 両手の親指をそろえ、顎の真下から舌をつきあげるゆっくり押す
4. 痛みを感じない程度にやさしく、それぞれ5~10回行う
これらのトレーニングを習慣にし、オーラルフレイルを予防しましょう。