インプラントの年齢制限
2021/09/14 | インプラント
神戸市東灘区 のだ歯科医院 院長の野田です。
近年、乳歯は生えたが永久歯がもともと少ない先天性欠如の方がけっこういます。
遺伝によることが多いのですが、こればかりはないものねだりをしても仕方ないです。
永久歯の先天性欠如の場合、両隣の歯は全く治療を行っていない健全な場合がほとんどであり、ブリッジにしようと思うとその健全な歯をかなり削ることになり、両隣の歯まで寿命を短くしてしまうことになりかねません。
インプラントの場合は両隣の歯は全く触ることはないので、両隣の自分の歯を残すためには非常に有用な治療法と言えるでしょう。
【何歳からインプラント治療ができるのか】
では、いつくらいから治療を受けることができるのでしょうか。
インプラント治療が行えるのは顎骨の成長が終わってからと言われています。
顎骨の成長時期にインプラント治療を行うとインプラント自体が動いてしまったり、正常に顎骨が成長しない可能性があるからです。
日本口腔インプラント学会のガイドライン(https://www.shika-implant.org/publication/dl/2020_guide.pdf)では、20歳からとされています。
また顔面タイプによっても違いがあり、面長の人は25歳まで発育が続くとも言われています。
一般的な顔貌の成長は、
・6か月間隔で頭部エックス線規格写真による観察で1年間変化がないこと
・2年間で身長の変化が0.5cm/年未満であること
・手根骨を観察すること
などにより把握できるとされています。
適正年齢になるまでは、できるだけ乳歯を長持ちさせることが大切です。
すでに乳歯が抜けてしまっている場合は、仮歯や入れ歯で成長が止まるのを待ちます。
【何歳までインプラント治療ができるのか】
では逆に何歳までにインプラント治療を受けた方が良いのか。
これは上限はありません。
しかし、加齢とともに全身疾患を有する場合が増えてきますので注意が必要になってきます。
高血圧症、脳血管障害などの「外科処置を行うリスク(高血圧症、脳血管障害そのものはインプラントの予後に直接リスクとなるものではない)」、
コントロールされていない糖尿病、骨粗鬆症などの「外科処置後の感染や骨折に関わるリスク」、
パーキンソン病や手指の細かい動きができなくなったりする場合は「メインテナンス時におけるインプラント失敗のリスク」
などがあります。
また残存歯の状態や歯周病の状態などさまざまな要因によりインプラントの埋入本数や最終的にどのようにゴールとするかの設計が非常に重要になってきます。
現在何歳で、平均余命は何年で、なども考慮して一緒に相談しながら治療計画を立てるようにしましょう!